Think CIVILITY「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である【読書感想文】
帰国後何十年かぶりの「共同生活」の中
同居人達との価値観の違いや、言動の粗雑さに心すり減らす毎日。
偶然ご近所のブクオフで見つけた本書を、手に取ってみましたの備忘です。
Think CIVILITY
「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
「礼節」を科学する
相手を大事に、敬意と礼節を持って接する、というのは日常でも仕事でも本当に当たり前の大原則。
本書はその「当たり前の事」をしっかり実行するメリットと、
それができない人(やろうとしない人)がいかに周囲に悪影響をもたらすか、
という事について、数々のシチュエーションやケースを用いて細かく解説しています。
結論をものすごくかいつまんで要約すると
- 礼節を持って人と接する
- →相手も場も和む
- →協力しやすい環境が生まれる
- →人間関係がよくなる
- →会社なら業績アップにつながる
- →だから大事なんだよ!
という事なんですが。。。
こう聞くと。。。
ほんと普通すぎて目新しい部分はないようにも思えますよね。
ただこの考えを「主軸」に行動したり、組織を動かす事を意識している人はどれだけいるでしょうか。
あたりまえの事、なのに「見栄」「感情」「癖」でそれらをおろそかにしたり、
回り道のように感じて、つい「強制」したり「命令」したりしてしまう事も多いのでは。
またそんな人に振り回されて「自分の何が悪いんだろう」と不要に思い悩んでしまったり。。。
礼節ファースト。
全てはここから始まるんだよ、という事を一冊通してじっくり教えてくれます。
「礼節を高めるメソッド」や「無礼な人への対処法」など
読後からすぐ心がけたい具体例も豊富に紹介されてます。
こんな方におススメ
ギクシャクしてる環境を整える、根本的なメソッドが知りたい
何かを今無理やり変える、の対症療法ではなく
「敬意と礼節」を持った行動を、日々意識する。
これこそが最終的な答なのではないでしょうか。
作中第2部「あなたの礼節を高めるメソッド」を実行に移す事で
まずは自分自身がレベルアップ。
感じ方や見え方が変わる事で、またはそれにつられて周囲から
環境も快適に変わっていきそうです。
正直「礼儀正しさ」が大事、というのは和を貴ぶ、こと我々日本人にとっては
それが仮に半分様式美のような物であったとしても
あまりにも普通の事で、内容自体に目新しさは感じづらいかもしれません。
しかし何を持って「礼節ある」とするかは環境次第。
無礼な人が増えたなあ、という印象を受ける要因に、作者さんは文中で
グローバル化や世代格差もあるのでは、と語られています。
作者さんの母国アメリカを始め、世界の多くの国は
人と接する時に「礼儀正しさ」を意識する事は少ないように思います。
そんな方々にとっては、とても斬新な意見として映ったかもしれませんね。
(優しくない、という意味ではありませんので誤解なきよう)
仏教には「和顔施」や「薫習」という言葉がありますね。
笑顔を絶やさない事はそれだけで善行であり、
よい習慣は自分へも周囲へも、香りが移るように伝わっていくよ、という意味。
今一度パフォーマンスとしての「礼儀」ではなく、
本来の意味での「礼儀正しさ」を見つめなおしてみたいと、改めて思った次第。
腐らずに頑張ろう、まずは自分から!